パーティクルカウンター資料集
無菌医薬品製造区域の環境モニタリング

製造区域

製造区域とは、培養、抽出・精製、容器等の洗浄・乾燥、原料秤量、薬剤の調製、滅菌、充てん、閉塞、包装表示等の作業を行う場所、及び更衣を行う場所等をいう。
無菌医薬品の製造区域は、取り扱う容器、原料及び中間製品が微生物及び微粒子に汚染されることを防止するように維持・管理された区域である。

製造区域の分類

グレードA:
製品への汚染リスクを高いレベルで防ぐ必要のある作業を行う局所的な区域である。 無菌操作法で製造される医薬品の場合は、無菌の医薬品、容器、栓などが暴露される環境において、無菌性が保持できるように設計された区域をいう。この区域においては充てん前の無菌作業(無菌接続、無菌原料の添加など)、無菌充てん、容器閉塞などを行う。
グレードB:
製品への汚染リスクを比較的高いレベルで防ぐ必要のある作業を行う多目的な区域である。無菌操作法で製造される無菌医薬品の場合は、無菌を維持できるように収納された滅菌後の容器、原料及び中間製品の搬入、無菌操作区域に直接介入する人、器具、装置などが所在する区域である。一般的な無菌室では、グレードAの周辺環境となる。なお、アイソレータ、ブローフィルシールなどの人の介在などのリスクが少ない場合においては、周辺環境はグレードBである必要はない。
グレードC、D:
製品への汚染リスクが比較的高い作業を行う区域である。滅菌前の容器、原料及び中間製品が、環境に曝露される製造作業を行う区域、無菌操作に使用する器具、装置などを洗浄する区域等をいう。また、アイソレータの周辺環境として使用できる。

製造区域ごとの環境管理基準値

管理区域ごとに要求される空気の清浄度の許容基準を表1に示した。

表1. 空気の清浄度

グレード 許容空中浮遊微粒子数(個/m3
非作業時※1 作業時
大きさ 0.5 µm以上 5.0 µm以上 0.5 µm以上 5.0 µm以上
A 3520 20 3520 20
B 3520 29 352000 2900
C 352000 2900 3520000 29000
D 3520000 29000 ----※2 ----※2

※1 非作業時の値は、作業終了後、一般に15~20分後に達成されるべき値である。
※2 この区域の許容微粒子数は、作業形態により異なる。

モニタリング頻度

無菌医薬品の製造区域では、空中浮遊微粒子及び微生物のモニタリングが必要であり、無菌医薬品が環境空気と直接接触するグレードAにおいては、作業シフトごとに適切な頻度でモニタリングを行う。作業時のモニタリング参考頻度を表2に示す。

表2. モニタリングの参考頻度(空中浮遊微粒子)

グレード 推奨頻度
A 作業中
B 作業中
C、D 製品や容器が環境に暴露される区域 月1回
その他の区域 月1回

※ 製品を暴露しない場合などリスクが低い場合は測定頻度を適宜減らすことができる。

モニタリングポイント

モニタリング対象には、製造区域の空気、床、壁、設備表面,手袋、作業衣などがある。モニタリングポイントの選定にあたっては、重要作業箇所、汚染されやすい箇所、製造区域の清浄度を代表する箇所などを考慮する。

微粒子測定にあたっての注意点

  • 環境モニタリングにより得られた数値は、平均値として評価を行うが、平均化により汚染リスクを過小評価しないようにする。
  • 測定には、校正済装置を用い、装置本体だけでなく、サンプリングチューブの長さ、直径及び曲がり部分の直径などを考慮する必要がある。
  • 5.0 μm以上の微粒子計測においては、大サイズ微粒子が比較的速く落下するので、長いチューブ使用は避ける。
  • グレードA区域は、連続モニタリングが推奨される。サンプリング量は1m3当たりに正確に換算できる量であること。

(参考:第十六改正 日本薬局方 第一追補 参考情報)

皆様からの、課題解決のためのご相談をお待ちしております。

お問合せ・お見積り