細胞染色・免疫染色の自動化

細胞染色・免疫染色は、細胞の分子生物学的な伝達経路にかかわる基礎研究、細胞のタンパク発現による病態の観察などの臨床試験、細胞を用いた創薬研究など幅広い分野に使用されている必要不可欠な技術です。細胞染色は培養のハンドリングから、化合物などによる刺激、固定化や透過剤、複数の抗体、染色試薬の添加とその洗浄など、煩雑なステップを必要とする場合があります。さらにアッセイの多様化やサンプル数の増大に伴い、研究者が細胞染色にかける労力は増加する一方です。
ラボラトリーオートメーションシステムBiomekシリーズは、さまざまアッセイの自動化を行うことが可能な高い拡張性を持つ自動分注システムであり、細胞染色に関する幅広いアプリケーションにも対応することが可能です。セルイメージャーでの測定のための接着細胞の染色の自動化や、フローサイトメーターでの測定のための、遠心・洗浄を含む染色や細胞のはく離・分散を含む工程のの自動化、さらにはそれらの測定機器を含むウォークアウェイのハイコンテントスクリーニングまで、スループットやアッセイに合わせた自動化システムを構築することが可能です。

繊細な細胞のハンドリングも可能な緻密な分注

細胞染色においては、細胞にダメージを与えたり、予期せぬ工程で細胞がはく離したりすると、実験結果に多大な影響を与え、間違った結果を導き出します。自動分注機Biomekシリーズは、繊細な細胞のハンドリングを行う緻密な分注を再現することが可能です。プレート内での分注位置や高さを0.1 mm単位で調整可能で、分注速度もμL/s単位で設定可能です。分注しつつ高さや位置を変更することも可能で、可能な限り細胞にダメージを与えずに分注を行うことが出来ます。これらの設定は全てのBiomekシリーズで共通のBiomek Softwareで行い、プラットフォームが変わっても共通のインターフェイスで設定できます。

自動化のワークフローを広げるIntegration System

ベックマン・コールターのラボラトリーオートメーションプロダクトは分注機単体での使用でも十分な機能を発揮しますが、周辺機器を統合していくことにより、機能を拡張することが可能です。遠心機を接続させることにより、浮遊細胞の免疫染色に含まれる繰り返しの洗浄工程における細胞のペレッティングを自動化することが可能です。CO2インキュベーターを接続することにより、一定の温度での反応が必要なワークフローの自動化が可能となり、またプレートホテルなどを接続することにより、より大量のサンプルの処理や長期間にわたるワークフローの自動化が可能となります。さらにプレートリーダーやセルイメージャー、フローサイトメーターを接続させることにより、測定ステップまでの自動化も可能で、複雑で大量のプレートを処理するハイコンテントスクリーニングなどのシステムを構築することも可能です。これらの装置の統合は、アッセイやスループットに合わせて自由にカスタマイズすることができます。もちろん、購入後のシステムの組み換えや拡張も可能です。

時間管理も含めたウォークアウェイのアッセイ自動化

免疫染色は、試薬の添加とその反応、洗浄のステップが繰り返し必要なことが多く、実際のハンドリング時間以上に長時間アッセイのために拘束されがちです。一部のアッセイは反応時間に繊細で、実験者の気苦労が多く、実験者間やアッセイ間の差が問題となる原因ともなります。Biomekでの自動化では、反応時間を正確にハンドリングすることが可能で、適切なタイミングで次のステップに進むことが可能です。時間の調整のタイミングは自由に設定でき、複雑な時間管理のアッセイのプログラムでもストレスなく実行可能です。これにより、実験者のハンズオンタイムを最小化し、実験間差を低減させることが可能です。

アッセイの自動化の実現をサポートする強力なソフトウェア

Biomek Softwareは全ての機種のBiomekに共通したソフトウェアであり、分注機を制御するだけでなく、アッセイの自動化を行うためのプログラム(メソッド)を作成するための開発環境でもあります。分注の細かな設定や演算機能を用いた設定などが可能で、ハードウェアの機能を最大限に引き出しユーザーの求める動きを実現するとともに、プログラム経験のないユーザーにも簡単に使用できるよう設計されています。また、SAMI EX Workstation Softwareは、インテグレーションシステムのメソッド作成を非常にシンプルにします。1バッチ分のワークフローを作成するだけで、複数バッチの実行のための最適な動作スケジュールを自動的に作成し、実行することができ、大量のプレートを処理するハイコンテントスクリーニングなどのアッセイもプログラムも簡単に作成することが可能です。

細胞染色用Biomekシステム例

それぞれのBiomekシリーズはいずれでも細胞染色を自動化することが可能です。アッセイの種類や、スループット、ワークフローなど研究で必要なニーズに従って選択頂けます。また高い拡張性を持つことで、必要な機器を統合することにより、最適なシステムをニーズに合わせて柔軟に構築することが可能です。

細胞染色用Biomekシステム構成例1

細胞染色用Biomekシステム構成例2

Biomek NXP Span8 細胞染色システム
  • Biomek NXP Span8
  • 自動化用遠心機
  • オービタルシェーキングALP (攪拌用デバイス)

細胞染色用Biomekシステム構成例3

ハイコンテントスクリーニングシステム
  • Biomek FXP ハイブリッド
  • ImageXpress セルイメージャー x 3
  • SpectraMax Paradigm プレートリーダー
  • CyAN フローサイトメーター
  • CO2インキュベーター
  • プレートホテル
  • キャッパー・デキャッパー
  • プレートホテル
  • マルチディスペンサー
  • プレートハンドリングロボット
  • Class II 安全キャビネット

アプリケーションノート

Automated Sample Preparation for Cell-Based Assays
細胞解析は生物学研究のメジャーであり、セルベースアッセイはあらゆる範囲の細胞シグナル経路の解析に不可欠となっています。セルベースアッセイは次々に新たなアッセイが開発され変化していくとともに、サンプル数の増加傾向にあります。Biomekシリーズを用いれば、さまざまなアッセイの自動化に対応できます。ここでは、IP-One HTRF Assayによるイムノアッセイ、白血球のLPSおよびPMAによる刺激によるMAPキナーゼ経路の活性化のフローサイトメーターによる測定前処理、マウスES細胞の未分化マーカー染色のセルイメージャー測定の前処理などの例を示しています。

Automated Liquid Handling for Cell Staining and Imaging
ハイコンテントイメージングは、接着細胞の細胞ごとの情報が得られる有用なツールであり、集団内の個別の細胞の状態や、変化、シグナル経路の解析など様々な解析に用いられています。セルイメージングのための細胞調整は、培養関連や、細胞への刺激、それに続く固定や染色など複雑で、細胞が剥がれ落ちないように繊細な分注動作が必要です。Biomekシリーズを用いれば、これらの操作を自動化することが可能です。スループットに合わせてBiomek4000でもBiomek FXPでの96ウェルベースでのアッセイでも、さらにはイメージャーまで接続させた大量サンプル処理可能なシステムも構築可能です。ここではいくつかの機種で染色・免疫染色を行い、良好なイメージング結果を得られています。

Automated Solutions for Cellular Analysis Through Flow Cytometry
フローサイトメーターは細胞分布の測定のための非常に重要なツールです。フローサイトメーターのアッセイには、細胞培養、刺激、細胞のはく離や分散、抗体のカクテル作製、染色など多様なステップが含まれます。細胞染色には、固定や、透過剤の添加などのステップが含まれる場合もあります。これらのステップをBiomekを用いて自動化することが可能です。ここでは細胞への刺激、胚様体の分散、抗体カクテルの作製、固定・透過剤の添加を含む免疫染色のステップをそれぞれの自動化の例を示しています。

Monitoring Differentiation of Embryonic Stem Cells by Automated Flow Cytometry Sample Preparation on the Biomek NXP Laboratory Automation Workstation
幹細胞の分化による様々な細胞種の作製は、再生医療研究や創薬研究において非常に重要であり、分化手法の探索や分化率の向上が試みられています。分化後の細胞は、不均一な細胞集団となるため、フローサイトメーターによる測定が一般的な手法の一つです。Biomek NXP Span8に遠心機を接続させることにより、固定剤や抗体の添加工程に加えて、反応後に繰り返し行う必要がある洗浄工程も含めて自動化することが可能です。ここではマウスES細胞を杯様体形成後に分化誘導を行い、継時的に分化マーカーの免疫染色、およびフローサイトメーターでの測定を行いました。

Automation of Cell Staining Using the Biomek 4000 Laboratory Automation Workstation
Biomek 4000を用いて、接着細胞の細胞染色を自動化しています。セルイメージャーはプレートベースでの細胞観察が可能ですが、処理サンプルが多くなるうえ、前処理の工程は複数の分注作業と時間管理が必要で、非常に煩雑になります。Biomek 4000により、これらの工程を自動化することが可能で。ここれマウスES細胞の心筋細胞への分化を行い、分化の程度を観測するために、Myosin、SOX2、Nanogの免疫染色とDAPIでの染色をBiomek 4000を用いて行いました。得られた細胞はセルイメージャーで観測し、良好な結果が得られました。

Biomek FXP による3 次元細胞培養とスクリーニングの自動化 - イメージングおよびフローサイトメトリーによる解析 -
Biomek FXPを含むインテグレーションシステムを用いて、Perfect3D Hanging Drop Plateでがん細胞スフェロイドの形成、化合物の添加、PI染色およびアポトーシス検出用のカスパーゼ活性測定蛍光プローブでの染色、スフェロイドの分散などの工程を自動化しています。その後、セルイメージャーImageXpress MicroおよびフローサイトメーターGalliosで測定し、良好な結果が得られています。

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