核酸抽出・精製(Agencourt製品)の自動化

Agencourt(アジェンコート)試薬キットは、常磁性磁気ビーズを用いた核酸精製法「SPRIテクノロジー」を用いた核酸抽出・精製キットです。
様々なサンプルからのDNA あるいはRNA の抽出・精製を行うことが可能なAgencourt製品は、高い性能に加えて、低コストで、かつハイスループット化しやすいようにデザインされています。
ベックマン・コールターのラボラトリーオートメーションシステムBiomekシリーズを用いて自動化することにより、これらAgencourtの特徴を最大化することが可能です。
さまざまなアッセイの自動化が可能なBiomekを核酸抽出装置としても活用頂けます。

BiomekによるAgencourt製品自動化

ベックマン・コールターのラボラトリーオートメーションシステムBiomekシリーズは様々なアッセイをユーザー自身で自動化することが可能な自動分注システムであり、Agencourtを用いた核酸抽出・精製の工程を自動化できます。これによりBiomekを、核酸抽出装置として活用することが可能です。
AgencourtとBiomekにより、核酸抽出・精製のスループットを飛躍的に高めることができ、さらにヒューマンエラーや実験者間の差を軽減させ、データの信頼性を向上させます。
アッセイのスループットに合わせて、Biomek FXP、Biomek NXP、Biomek 4000のプラットフォームを用意しており、各Agencourt製品の実施のために最適化されたプログラムをご用意しています。
自動分注機、試薬の両者を手掛けるベックマン・コールターならではの、ソフト面、ハード面を含む総合的なソリューションをご提供します。

完成されたBiomekプログラム

Biomek Softwareは、Biomekで実施する様々なアッセイの自動化プログラムをユーザー自ら容易に構築することを可能としていますが、Agencourt製品に関してはベックマン・コールターでバリデーションし最適化されたプログラムを用意しており、導入後すぐに実験を開始することが可能です。
ユーザーが分かりやすいように、インターフェイスがより強化されており、簡単にサンプル数やアッセイ容量を変更してプログラムを実行することが可能です。
もちろん、本来のBiomek Softwareの柔軟性を活かし、プラグラムの改変や、他のアッセイの構築も可能です。

バリデーションされたAgencourt用Biomekプログラム 最大プレート処理枚数および所要時間

  Biomek 4000 Biomek NXP Biomek FXP
Multichannel Span 8 Single-Multi Hybrid
PCR産物精製
AMPure XP
89min 2plate 30min 3plate - 59min 6plate 59min 6plate
DNAシークエンス
反応精製
CleanSEQ
114min 2plate 28min 3plate 50min 1plate 40min 6plate 40min 6plate
RNA精製
RNAClean XP
60min 1plate 60min 3plate 60min 1plate 60min 3plate 60min 3plate
DNAサイズセレクション
SPRIselect
140min 1plate - - - 110min 1plate
プラスミド抽出
CosMCPrep
- 13min(part1)
22min(part2)
1plate - 59min(part1)
41min(part2)
4plate 59min(part1)
41min(part2)
4plate
組織からのDNA抽出
DNAdvance
- 150min 4plate 82min 1plate 150min 4plate 150min 4plate
血液からのDNA抽出
Genfind v2
- 150min 1plate 150min 1plate 150min 1plate 150min 1plate
培養細胞からのRNA抽出
RNAdvance Cell v2
- 120min 1plate 185min 1plate 135min 2plate 185min 1plate
組織からのRNA抽出
RNAdvance Tissue
- - 157min 1plate - 157min 1plate
血液からのRNA抽出
RNAdvance Blood
280min 1plate - 210min 1plate - 210min 1plate
FFPEからの
DNA/RNA抽出
FormaPure
- - 180min 1plate - 180min 1plate
植物からの
DNA/RNA抽出
ChloroPure
- 80min 3plate - 80min 3plate 80min 3plate

*上記時間は標準的なプロトコルおよびシステム構成に基づき算出しております。分注条件によって前後する場合がございます。
*記載の無い組み合わせでも、自動化を行うことが可能です。また、Biomekは高い汎用性を持ち、さらに処理枚数を増やしたい場合や、その他のアッセイを自動化したい場合でも対応可能です。詳細はベックマン・コールターまでお問合せ下さい。

Biomekシステム例

Biomek 4000 構成例

Biomek 4000

  • Biomek 4000
  • MP1000 ツール
  • MP200 ツール
  • グリッパーツール
  • オービタルシェーキングアルプス
  • スタティックペルチェ アルプス

Biomek NXP Multichannel 構成例

Biomek 4000

  • Biomek NXP Multichannel
  • 96チャンネルマルチヘッド
  • チップウォシュアルプス
  • 4x3アルプス

アプリケーションノート

Reproducible and Efficient Automation of PCR Reaction Setup and Purification Using the Biomek 4000 Workstation and AMPure XP
Biomek 4000を用いて、PCRのセットアップとAMPure XPによるPCR後の精製を自動化しています。AMPure XPによる精製ではWashツールによるエタノール洗浄を高速で行い、192サンプルからの精製を90分以下で自動化しています。またPCRセットアップはReal Time PCRにもそのまま使用できます。いずれのメソッドも良好な結果を示しており、またクロスコンタミネーションがないことが確認されています。

The MD Anderson SPRI Experience: Using Agencourt CleanSEQ and Agencourt AMPure in HLA Sequencing-Based Typing
ヒト白血球抗原(HLA)系は、体外からの異物を認識する重要な免疫機能であり、一連の遺伝子群から構成されています。HLA型のマッチングは移植時の拒絶反応や過剰反応のリスクを低減させます。臓器移植及び幹細胞移植は末期臓器不全や悪性腫瘍の一般的な治療法であり、HLAのマッチングにより拒絶反応のリスクが大幅に減少します。テキサス州立大学 MDアンダーソンがんセンターでは癌患者とドナーのHLAマッチングとスクリーニングにおいて、シーケンスベースのHLAタイピングを行っています。ここではAおよびDR LocusをPCRで増幅し、シーケンスを行っていますが、PCR後の精製にAMPureを、シーケンス反応後の精製にCleanSEQを、それぞれBiomek NXPを用いて自動化し、実施しています。高い精製度を保つことによりBigDyeをx32の高い希釈率で使用でき、全体のコストを低減させています。

(Case Study) Génome Québec Innovation Centre Discovers Lower Costs, Improved Processes with Agencourt CosMCPrep and Agencourt CleanSEQ
マギル大学Génome Québec Innovation Centreは世界有数のゲノムおよびプロテオミクスの研究センターです。マギル大学ではベルベットモンキーのゲノムマップの作成を行ううえで、BACを用いたDNAシーケンスを行っていました。AgencourtのCosMCPrepとCleanSEQとともに、それらを自動化するBiomek FXPを導入することによって、プロセスの改善、エラーのリスクの低減、コストの低減を実現しました。

Biomek 4000 自動分注システムによるSPRIselectを用いたDNAサイズセレクションの自動化
Biomek 4000を用いて、DNAサイズセレクション試薬SPRIselectにより、DNA断片のサイズセレクションを自動化しています。SPRIselectは、断片化されたDNAから一定のサイズのDNAを回収を、磁気ビーズ法により実施することが可能で、次世代シーケンサーのライブラリー構築などに使用されます。Biomek 4000により、任意のターゲットレンジのサイズセレクションを自動化しており、96のDNAサンプルからのサイズセレクションを約1時間40分で実施可能です。大腸菌の断片化したゲノムDNAから、5種類のレンジでのサイズセレクションを実施し、良好なデータが得られています。

Highly-efficient miRNA Isolation using the Agencourt FormaPure and RNAdvance Cell v2 Kits and Biomek Automated Extraction Methods
miRNAはおよそ22塩基長の小さいリボヌクレオチドであり、多くはその機能が正確には解明されていません。ヒトには1000以上のユニークなmiRNAが存在し、ヒトの60%以上の遺伝子が、miRNAに何らかの制御を受けていると予測されています。多くのRNA抽出キットは長いmRNAの抽出に最適化されているため、miRNA抽出においては、十分な収率を得ることが出来ません。AgencourtはSmall RNA用の改変プロトコールを使用することにより、高い収率でmiRNAを回収することが可能です。ここでは培養細胞からRNAdvance Cell v2を、FFPEサンプルからFormaPureを用いて、miRNAの抽出を高い収率で得られています。さらにBiomek FXPを用いて自動化を行っており、ハイスループットなmiRNA抽出をマニュアルと遜色のない品質で実現しています。

Automation of Micro RNA and Total RNA Purification from Formalinfixed paraffin-embedded tissues (FFPE) using the Agencourt FormaPure Kit and Biomek NXP Span 8 Laboratory Automation Workstation
miRNAはおよそ22塩基長の小さいリボヌクレオチドであり、一つのmiRNAが複数の遺伝子の制御にかかわっており、細胞のネットワークに広く関わっています。miRNAバイオマーカーの探索など様々な範囲で研究されています。Agencourt FormaPureとBiomek NXP Span8を用いることにより、FFPEからのmiRNAの抽出を自動化することが可能です。ここでは10μmのFFPE48サンプルからmiRNAを抽出し、Taqman microRNA assayによりmiRNA量を確認し、マニュアルと遜色のないデータを得られています。

Automation of Micro RNA and Total RNA Purification from Tissues Using the Agencourt RNAdvance Tissue Kits and Biomek Span-8 Liquid Handler
miRNAは18塩基から40塩基長のノンコーディングリボヌクレオチドであり、様々な遺伝子の制御にかかわっておりことがわかりつつあります。Agencourt RNAdvance TissueとBiomek NXP Span8を用いることにより、少量の動物組織からのTotal RNAおよびmiRNAの抽出を自動化することが可能です。ここでは10μmのFFPE48サンプルからmiRNAを抽出し、Taqman microRNA assayによりmiRNA量を確認し、マニュアルと遜色のないデータを得られています。

MicroRNA Extraction from Purified Exosomes Using Beckman’s Agencourt RNAdvance Cell v2 Kits and the Biomek NXP MC Platform
エキソソームは様々な細胞から分泌される約30-150 nmの小胞で、血液・尿・羊水・腹水などに分泌されます。エキソソーム内に含まれるmiRNAは細胞の発現プロファイルを示し、癌などのバイオマーカーとして研究がおこなわれています。Agencourt RNAdvance Cell v2とBiomek NXPを用いることにより、miRNAを含むRNAの抽出を自動化することが可能です。ここでは培養上清および血液中から精製したエキソソームから抽出を行い、良好な結果が示されています。

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ベックマン・コールターではお客様のアッセイや必要なスループット、ご予算に合わせて最適なシステムを提案させて頂きます。
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