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【後編】エクソソーム実験の基本

[コラム]スウィングロータ

超遠心にはスウィングロータを用います。そうすることで、ペレットが遠心チューブの一番底に集まり、後のdecantationと懸濁がスムーズに行えます。固定角ロータの場合、エクソソームなどの粒子はチューブの壁に当たった後に底部まで沈降するので、チューブ壁にエクソソームが吸着することが懸念されます[図a]。また、ペレットが形成される位置がスウィングロータに比べてわかりづらくなります。そのため、エクソソームの回収率の低下や夾雑物混入の増加にもつながる恐れがあります1) Beckman Coulter 2015インタビュー記事、図4)。

エクソソーム回収の一連の操作における注意点として、以下が挙げられます。

a)使用するマイクロピペッター用のチップ、マイクロチューブ類はタンパク質低吸着タイプを用います。

b)低速度遠心で細胞を沈降した後の培養上清(エクソソームはこの遠心力ではまだ上清の方に存在する)は、上の方からピペットで慎重に吸い上げて清潔な容器に移します。その際、細胞の混入を避けるために細胞のペレット表面を乱さないように、培養液は少し残すようにします[図b]

c)超遠心ロータにセットする前の遠心チューブは、メーカー推奨より少ない容量になると遠心中に破損する恐れがあります。複数の遠心チューブに培養上清を分注するうち、その1、2本の容量がどうしても推奨よりも少なくなる場合もあり、その場合は、PBSで補充して対称側の遠心チューブと重さを合わせてバランスをとります。

d)超遠心後のdecantation操作は慎重に行い、遠心チューブを傾けて上清を廃棄した後、遠心チューブの口部分に残る液もピペットで吸い取り、なるべく除きます。洗浄後も同様にします。一度傾けた遠心チューブを、残液が付いた状態で垂直に戻すと、エクソソーム溶液に夾雑物の混入、過度の希釈および沈殿の乱れなどを引き起こします[図b]

参考文献
1)Beckman Coulter. インタビュー記事「エクソソーム研究における基本と今後の展望」2015

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