細胞は、さまざまな大きさの脂質二重膜に包まれた細胞外小胞を分泌していることが知られています。細胞外小胞は、大きさの違いにより分類されており、エクソソーム(Exosome, 30~200 nm)、マイクロベシクル(Microvesicle, 200~1000 nm)、ラージオンコソーム(Large oncosome, 1~10 μm)があります。 その中でも、エクソソームは2000年代後半から細胞間コミュニケーションの担い手として、また各種疾患の診断・治療ツールとして注目され、その分泌・輸送様式、および内包物質などに関する研究が活発に行われています。

エクソソームの中にはmRNAやmiRNAといった核酸やタンパク質などが入っています。分泌側の細胞は特定のメッセージをエクソソームという形で分泌し、エクソソームはその表面マーカーや大きさ等により特定の細胞を識別して取り付きます。その後、内包したmRNA、miRNAやタンパク質などを受け手側の細胞内に解き放ち、受け手側の細胞に影響を及ぼします。このようなプロセスで細胞間コミュニケーションを行っていると考えられています。

エクソソームは正常状態ではそれほど多く分泌されておらず、がんなどの異常な状態時に正常細胞からの分泌量が増加することがわかっています。そして、がん細胞自身も多くのエクソソームを分泌することで、がん微小環境を構築することが近年の研究でわかってきています。このため、疾患時のエクソソームの役割を解析することで、より理解が深まり、創薬につながることが期待されています。また、がんなどの疾患時に分泌されるエクソソームが、疾患マーカーになるのではないかとも期待されています。