バイオプロセス開発を促進

ハイスループットな微生物培養を実現するマイクロバイオリアクターBioLector XT は、生菌数(バイオマス)、蛍光、pH、DO など、好気性細菌や嫌気性細菌を重要なパラメータをリアルタイムで自動測定し、多様な微生物の評価を促進します。
マイクロタイタープレート上での最大48ウェルで、様々な培養条件での並列培養や、pH、振とう、温度のプロセス制御も柔軟に設定可能なため、複雑な実験デザインによる微生物培養評価が行えます。
またオプションのモジュールを使用することで、ウェルごとの流加とpH制御、嫌気性・好気性培養、CO2制御下での培養など、様々な実験に対応可能です。

マイクロバイオリアクター BioLector XT

特長

 

バイオリアクター BioLector XTでバイオプロセス開発が加速する理由

バイオプロセス開発のボトルネックとなるのはスケールアップです。スケールアップには時間がかかるため、初期段階の開発だけでなく最終製品までの工程に大幅な遅れを生じさせることが考えられます。振とうフラスコを用いた初期スクリーニング、小型培養槽での微生物培養、そして生産規模にスケールアップするまでに、数日から数週間掛かります。もちろん複数の培養槽を使用すれば時間短縮も可能ですが、スペースや人員、コストが必要となってしまいます。

BioLector XTを使用することで、培養と測定を自動化し、わずか2時間の作業でスループットを上げることができます。

バイオリアクター BioLector XTを用いた微生物培養の利点

  • マイクロタイタープレート上での、最大48ウェルによるパラレルウェル培養
  • 生菌数、蛍光、pH、DOなど微生物培養の重要なパラメータのオンライン、リアルタイム自動測定
  • 気密性の高いリッドで、酸素供給を 0-100 % の範囲で正確に制御可能
  • ウェルごとのpHと流加制御により、嫌気・好気培養条件でのフェドバッチ培養に対応
  • 複雑な実験デザイン、サンプリング等に対応するための自動化が可能

バイオリアクター BioLector XTの特長

バイオプロセス研究のための機器制御とデータ解析

オンライン計測

  • 生菌数(バイオマス)濃度
  • pH値
  • 溶存酸素(DO)
  • NAD(P)Hとリボフラビン
  • 蛍光分子(GFP、YFP、DsRedなど)
  • 振とう速度
  • 温度
  • ヘッドスペース空間のO2
  • ヘッドスペース空間のCO2

オンライン制御

  • pH値(ウェルごと)
  • 流加(ウェルごと)
  • 振とう速度
  • 温度
  • ガスフロー
  • ヘッドスペース空間のO2
  • ヘッドスペース空間のCO2

容易な操作で実験を加速するソフトウエア BioLection

  • 複数の研究員による使用を効率化する直感的なユーザーインターフェース
  • 全ての制御パラメータを自由に設定可能
  • ライブデータをダウンロードできるオープンシステムを採用
  • 高速プロセッサによる実験データの高速ダウンロード
  • プロトコルファイルや結果のアップロード/ダウンロードを簡略化
  • スクリプト言語Luaの統合(オプション)によって、UIでサポートされるプロトコル作成機能が補完され、培養プロトコルのより高度なプログラミングが可能

実験の幅を広げるモジュール

(上)オプトード(センサー)付属フラワープレート上のマイクロ流体制御
(下)オプトード(センサー)付属円型ウェル上のマイクロ流体プレート

マイクロ流体モジュール(MFモジュール)

  • 複数の研究員による使用を効率化する直感的なユーザーインターフェース
  • 全ての制御パラメータを自由に設定可能
  • ライブデータをダウンロードできるオープンシステムを採用
  • 高速プロセッサによる実験データの高速ダウンロード
  • プロトコルファイルや結果のアップロード/ダウンロードを簡略化
  • スクリプト言語Luaの統合(オプション)によって、UIでサポートされるプロトコル作成機能が補完され、培養プロトコルのより高度なプログラミングが可能

ガス制御モジュール

流入ガスのO2とCO2を適切に制御することで、嫌気・好機培養環境を維持したり、酸素や二酸化炭素レベルを制御することが可能です。

Gassingモジュール アプリケーション 特長
嫌気培養 厳重な嫌気培養とガスフローを低く制御 窒素ガスが一定に供給されるため、酸素への暴露されることなく、常に嫌気培養環境を維持
CO2アップレギュレーション CO2制御下での培養 チャンバー内の二酸化炭素レベルを0%~10%の間で維持
O2アップレギュレーション 高O2条件下での培養 酸素濃度を計測し、チャンバー内の酸素レベルを21%~100%に制御し好気培養環境を維持
O2ダウンレギュレーション 低O2条件下での培養 酸素濃度を計測し、チャンバー内の酸素レベルを2%~21%に制御

光照射モジュール(Light Arrayモジュール:LAM)

光合成培養が可能となり、16種の波長のLEDを異なる照射スペクトルと昼夜サイクルなどのパターンをプログラム設定することができます。すべての培養ウェルに均質な照明を当て、再現性が高く、より正確な実験データが得やすくなるため、様々な光合成微細藻類研究や光合成微生物研究をさらに加速させることができます。

また、専用のフィルターモジュールを使うことで、藻類研究で重要なクロロフィルa/bの蛍光オンライン測定も可能です。

様々なアプリケーションへの活用

  • ワクチン開発
  • フェドバッチ開発
  • pHプロファイリング
  • 流加量の最適化
  • 培地スクリーニングおよび最適化
  • 目的とする培養パラメータの最適化
  • 遺伝子導入または遺伝子改変細胞/菌株のスクリーニング合成・システム生物学
  • 嫌気/好気/微好気培養
  • 実験の統計的な評価
  • 培養における増殖の評価
  • ハイスループットなタンパク質発現
  • 酵素、細胞活性の評価
  • 機能ゲノミクス
  • プロテオミクス研究
  • 毒性試験
  • 品質管理

製品仕様

製品名 BioLector XT
製品番号 M2P-G-BLXT
プレートフォーマット 48/32リアクター、16リザーバーウェル
容量 800~2,400 μL(マイクロタイタープレートの種類によって異なる)
温度 下限:標準的な動作で室温-8℃
上限:50℃
振とう条件・制御 3 mm振とう, 100~1,500 rpm
キャリプレーション キャリブレーション済みプレート
pH計測範囲 5.0~7.5(低pHモジュール使用時 4.0~6.0)
偏差は0.1 未満,範囲が広くなるほど正確性は低下
DO計測範囲 酸素飽和度0 ~100% *3
pH制御 酸または塩基
サイズ(W×H×D) BioLector XT本体:795 × 541 × 514 mm
バルブ制御ユニット:685 × 360 × 502 mm
重量 BioLector XT本体: 約58 kg、
マイクロ流体モジュール搭載の場合:約 61 kg
バルブ制御ユニット:約44 kg
電源 100~240 VAC, 最大出力400 W,定格出力 VCU 120 W