トナー粒子径分布の測定方法

装置の校正

上述したように、電気的検知帯法では、懸濁液中の粒子を小さな径の細孔(アパチャー)に通すによって得られた電気パルスは粒子の体積と比例している。粒子体積(粒子径)が既知の標準粒子を用いて測定し、この比例定数を求める。この一連の操作が装置の校正である。

1.校正定数

式(1)のように、粒子体積(VP)は粒子がアパチャーを通過するときに得られる電気パルス(ΔV)と比例する。

ΔV:電気パルス I:一定電流値 S:アパチャーの断面積 ρ0:電解液の抵抗 Vp:粒子体積

式(1)の(I)は実際に流している定電流値であり、(ρ0/S2)の値は、電解液、アパチャー径、アパチャーの形状などで変わる。一般的に、(Kd)は、式(2)で表し、電流値(I)、アパチャーの断面積(S)、電解液の抵抗(ρ0)と関連している。

実際の校正では、粒子径(あるいは体積)が正解に分かっている標準粒子(単分散粒子)を用いて測定し、(Kd)を決定する。決定された(Kd)で式(3)で個々の粒子径(d)を計算する。

2.校正粒子の選択

校正粒子は、使用するアパチャー径に合わせて、選択する必要があり、通常、アパチャー径の10%-20%の径の標準粒子を使用する。最適な校正粒子は、表(1)の推奨する校正粒子を参考とする。

アパチャー径(μm) 校正粒子の粒径範囲(μm) 推奨する校正粒子の公称径(μm)
20 2 - 4 2
30 3 - 6 3
50 5 - 10 5
70 7 - 14 10
100 10 - 20 10
140 14 - 28 20
200 20 - 40 30
280 28 - 56 30
400 40 - 80 43
560 56 -128 65
1000 60 - 150 90
2000 90 - 260 90

(表1)

3.校正手順と頻度

より精度が高いKdを求めるには、下記の手順に基づいて装置を校正する必要がある。

  1. 測定装置が正常に操作していることを確認後、電解液のバックブランドを測定する。
  2. 校正測定は、10回を行う。
  3. 校正ごとにKd 値を記録し、10回分の平均値を計算する。
  4. (4) Kd の平均値は、校正で使用したアパチャー、電解液、測定装置の組み合わせにおいてのみ有効である。10μmの校正粒子と100μmのアパチャー・チューブを使用した場合の一例を表(2)に示す。
測定 Kd
1 124.15
2 125.82
3 125.13
4 125.23
5 125.43
6 125.13
7 124.25
8 125.62
9 124.25
10 125.03
平均 125.00

(表2)

測定装置の校正頻度は、6ヶ月~1年に一度校正することを推奨する。しかし、装置の精度管理には、標準粒子または標準粒子に準じるサンプルを用いて、毎日の管理測定が必要である。