測定原理の違いによる粒度分布測定データ比較

コールター法(マルチサイザーII)とレーザ回折・散乱法(LS130)との比較

試験サンプル:6種類 粒子形状の違うもの
  サンプル サンプル形状 使用アパチャーチューブ
マルチサイザーII
1 P.D.V.S ラテックス 球状 100μm
2 ガラスビーズ 球状 400μm
3 9種タルク 板状 30μm
4 雲母粉 薄片状 30μm
5 チタン酸カリウム 針状 30μm
6 サフィールRF 針状 100μm

1.球状サンプル:ラテックス

球状サンプルで分布幅の狭いラテックスの場合、マルチサイザーIIとLS130のデータは、平均粒子径、分布幅ともに、ほぼ一致する。

2.球状サンプル:ガラスビーズ

球状サンプルで分布幅がやや広いガラスビーズの場合、マルチサイザーIIとLS130のデータは、平均粒子径、分布幅、分布形ともによく一致する。

3.板状サンプル:タルク

板状サンプルのタルクの場合、マルチサイザーIIとLS130のデータは、LS130の平均粒子径が約2倍で、分布幅、分布形は一致する。マルチサイザーは、球体積相当径を測定するので、板状の場合には径の乖離が大きくなるが、分布全体が、2倍大きい方にシフトしており、相関性が良い。

4.薄片状サンプル:雲母粉

薄片状サンプルの雲母粉の場合、マルチサイザーIIと、レーザ回折・散乱法LS130のデータは、LS130の平均粒子径が約2倍になり、分布幅もLS130が広くなる。

5.針状サンプル:チタン酸カリウム

アスペクト比の大きい針状サンプルで、凝集がある場合、マルチサイザーIIと、レーザ回折・散乱法LS130のデータは、大幅に乖離する。

6.針状サンプル:サフィールRF

アスペクト比の大きい針状サンプルの場合、マルチサイザーIIと、レーザ回折・散乱法LS130のデータは、大幅に乖離する。LS130は、非常に幅の広い分布になる。

コールター法とレーザ回折・散乱法による比較結果

球状サンプルでは、コールター法と、レーザ回折・散乱法のデータは、平均粒子径、分布幅、分布形ともに一致する。 板状サンプルでは、レーザ回折・散乱法の平均粒子径が、球相当径のコールター法と比べて約2倍になるが、分布幅、分布形は一致し、相関性は良い。 薄片状サンプルでは、レーザ回折・散乱法の乖離が大きく、分布形も広がり、異なる。 アスペクト比の大きい針状サンプルでは、レーザ回折・散乱法は乱反射や多重散乱のため、まったく一致せず、針状サンプルの場合、レーザ回折・散乱法は測定に適さないと思われる。 アスペクト比の大きいサンプルの場合、コールター法とフロー方式粒度分布画像解析法を併用し、球相当径(球体積)とアスペクト比から換算し、実用的な分布データ(例えば、長径分布データ)を得られる。