粒子径分布測定装置

レーザー回折・散乱式の粒度分析測定装置は、測定の簡便性から現在、最も広く使用されている粒度分布測定装置で、サブミクロン領域から数mm程度の有効径を測定する粒子径分布測定に用いられています。

レーザー回折・散乱法の特長は、一度に測定できる範囲が非常に広く、短時間で高再現性の結果が得られ、さらに乾式でも湿式でも使用可能である点と、操作が容易であり、無人での測定も行えるため、オンライン測定にも使用可能ということです。その為、現在、粒度分布測定装置はレーザー回折・散乱式のものが粒度分布測定の主流となっています。
しかしながら、わずかな粒子径の違いを見分ける高分解能測定や多峰性サンプルの精密分布測定は原理的に不可能で、弱点です。特に、ミー散乱理論を用いるサブミクロン領域は、精度、分解能に欠けます。また、レーザー回折・散乱式粒度分析測定装置の検出器数や解析アルゴリズム等が各社で異なり、解析結果が機種で異なります。校正は不可能で、あくまでも相対的な指標でしかありません。

原理概略

レーザー光を粒子(ミクロンオーダー)に照射した場合、粒子径が大きな場合は全方向に散乱があり、その散乱光強度は強く、特に前方の散乱光強度が強いのが特徴です。粒子径が小さくなるに伴い、全体的に散乱光強度が弱くなり、狭い角度の前方散乱光が減ります。 粒子径が大きい場合、粒子によって散乱された光のうち、前方散乱光をレンズで集めると、その焦点面上に回折像(散乱パターン)を生じます。その回折像のパターンは、粒子径分布によって決まります。粒子をすべて球形で均質と仮定して、(一部の機種は、さらにロジン・ラムラー分布と仮定)これらの散乱パターンを詳細に解析(フラウンホーファー回折理論)すれば、有効径の粒子径分布が得られます。

一方、粒子径がレーザー波長と同等ぐらいに小さいサブミクロン粒子になると、散乱強度は非常に小さくなり、また前方散乱光のパターン変化が減少し、前方に設置した検出器だけでは判定が困難となります(0.4ミクロン以下)。一方、側方および後方の散乱光の散乱パターンが粒子径によってやや異なることから、粒子をすべて球形で均質と仮定して解析(Mie散乱理論)すれば、0.04ミクロンぐらいまでの微小粒子の有効径を求めることができます。 これ以下は、レイリー散乱領域になり、散乱パターンは常に同一で、粒子径に無関係になります。(一部の機種は、外挿法で、下限領域を0.02ミクロンまで延長表示)

近年、ベックマン・コールターが開発した世界初の偏光散乱強度差法(PIDS)により、0.1ミクロン以下のナノレベルの分解能が大幅に向上しました。3種類の波長の偏光の水平成分と垂直成分の強度差と、Mie散乱情報を加味して、0.017ミクロンまで測定できます(特許)