粒度分布測定の基礎知識

1. 粒子径の定義

粒度分布という概念を導入するためには、まず「粒子径」を定義する必要があります。
ほとんどの粒子の形状は、複雑かつ不規則な形状をしており、つまり球や立方体といったような単純かつ定量的に粒子径を表現できるものではなく、直接的に「粒子径」を定義することはできないように思えます。顕微鏡で、粒子を覗けば、1個の粒子には、多くの粒子径値があり、粒子面積にも投影方向により、多くの面積値があることがわかります。
しかしながら、粒子体積のみが1値しかもたず、その球体積相当径を用いることで、単純かつ定量的に「粒子径」を定義でき、もっとも正確な粒度分布データを得られます。また、粒度分布は、通常、重量基準分布を用いるため、粒子体積を求める方法は、重量基準分布が直接、求まります。

粒子径の定義とは

  1. 決められたルールに従って測定した粒子の長さをそのまま粒子径とする。ルール名によって、長軸径、短軸径、定方向径などと称する。
  2. 1個の粒子についてルールに従って二つ以上の長さを測定し、その平均値を粒子径とする。
  3. 粒子の大きさとして直接に測定された量(投影面積、体積)を幾何学公式を用いて、規則的な形状(例:円、球や立方体)の粒子に換算してその粒子径とする。相当径と称する。(画像解析法、遮光法、コールター法)
  4. 特定の粒子形状(例:球)と特定の物理的な条件を仮定したとき導かれる物理学的法則(例:Mie理論)を用いて測定量を粒子径に算出する。有効径と称する。(沈降法、レーザ回折・散乱法)

各測定原理によって観測される粒子径の違い

定方向径

Feret(フェレー)定方向接線径
Krummbein径(クラムバイン)定方向最大径

単一粒子の平均径

Heywod径(ヘイウッド)(投影面積円相当)
Martin径(マーテン)(投影面積を2等分する線分の長さ)

相当径は単純な換算のみ

有効径は仮定の元に測定解析

有効径:
沈降法の場合、試料が球形と仮定して、ストークス・アレン・ニュートンの法則に従って沈降すると仮定して、実測から同じ速度で沈降する、球形の粒子の直径とする。 レーザ回折・散乱法の場合は、球形と仮定して得られる理論的回折パターンと、実測回折パターンを適合させて有効径を算出している。

粒子の一番正確な“大きさ”とは?

例えば、凝集した磁気ビーズのケース