Vol.46 マイクロプレート遠心の意外な盲点をご存知ですか?
-ペレットの位置はウェルによって異なります-

マイクロプレート用遠心ロータの遠心力がプレートの列や行によって異なっていることをVol.45でご紹介しましたが、ペレットの位置も異なります。

次の模式図で説明します。

遠心力は回転軸から放射状に直線的に発生し、粒子は遠心力と並行方向に沈降します。このため、上図のようにペレットの位置が異なってきます。また注意点として、端のウェルほど細胞などの粒子は壁に接触してから沈降するため(詳しくはVol.13)、プラスチックに吸着しやすい粒子の収量は低下する可能性があります。

例えば、CytoFlexなどのフローサイトメトリーによりマイクロプレートを用いたスクリーニング解析を行う場合、マイクロプレートで直接前処理を行うことが多いかと思います。前処理として、プレートに細胞を播き、抗体で染色後、プレート遠心により細胞を沈殿させます。その後、アスピレーターなどにより上清を吸い取ります。このときに、ペレットの位置を考慮せずに下図のように一定方向のみからアスピレートすると、細胞の収率を下げることになります。下図の場合では左側にあるウェルの沈殿の収量が低下します。

このため、下図のように先端を中央に向けながらアスピレートすることで、収率の低下を防ぐことができます。

これまでの実験において、プレート上で細胞の抗体染色をした際に、同じ細胞量で調製したはずなのに、細胞数が異なることに悩んだりされたことはありませんでしたか?
これが、もう一つのプレート遠心の盲点なのです。今後は、このような違いがあるということを意識して、プレート遠心をするように心がけてください。