Vol.41 遠心時間の中に加速時間を含めているのは、どうしてでしょうか?
-加減速時間の考え方について-

どのクラスの遠心機であっても、通常は遠心時間を入力すると、そこには加速時間を含む設定になっています。
ところが、“設定した回転数に達してから時間をカウントする方が遠心効果の再現性を求める場合にもよいのではないだろか?“という考え方もあります。
ここで通常の遠心時間とはどういうものか改めて考えていただきたいのですが、遠心時間とは下の図のように、“加速時間 + 設定した回転数で遠心する時間”になり、減速中の時間が含まれていないのです。

ところが当然のことながら、この減速時間中にもサンプル粒子に遠心力が加わっています。
それでは、遠心時間の中に含まれていないこの減速中の遠心効果は無視されているということになるのでしょうか? そうではありません。
下の図のように仮に加速時間と減速時間が同じであるとすれば、加速時間時の遠心効果の不足分を減速時の遠心効果で補うことができます。
加速時間と減速時間が異なる場合であっても、おおよそ同じ結果になる筈です。

このことから、遠心時間のなかに加速時間を含めるという通常の遠心機が採用している方法は、遠心効果の再現性を考えることにおいても合理的であると言えるのです。

ただし遠心機の中でも、チャンバーの中を高い真空にして遠心する超遠心機の場合には、特別な注意が必要です。
超遠心機では、スタートしても真空度がある程度のところまで達しないと一定の速度で待機運転をします。
例えば弊社製フロア型モデルでは750 μmという真空度になるまでは3,000 rpmで待機し、卓上型モデルでは、500 μmまでは5,000 rpmで待機します。
ですので、その規定の真空度以下になってからスタートすれば、いつも再現性のある遠心ができることになるのです。