vol.35 高遠心力対応の250mLボトルの開発秘話とそのロータ
-ベックマン・コールターの優れ物ロータ達 その1-

これまでに、ベックマン・コールターが誇れるいくつかのロータを紹介してきました。
Vol.7では、ミスフックのないスウィングロータSW-32Ti / 32.1Tiロータ
Vol.9では、水に浮かぶ(?)軽量大容量ロータJLA-10.500、
Vol.14では、50 mLコニカルチューブ用高速スウィングロータJS-7.5、
Vol.15では、1.5 mL微量遠心チューブ用高速スウィングロータSX241.5、
Vol.17では、純度と時間を両立させたNVTロータ
などです。

今回は、6本 × 250 mLの高速固定角ロータJLA-16.250を紹介します。
このロータは最高回転数16,000 rpm(38,420 ×g)ですが、他社の同等容量ロータでは最高回転数12,000~14,000 rpm(22,500~30,240 ×g)で、かなり大きな遠心力の差があります。この回転数を達成するためのロータ開発に多くの努力を費やしたのは勿論ですが、最後の課題は、この遠心力の耐える250 mL遠心ボトルを開発することでした。
これまでの250 mLボトルでは、遠心力を上げるとボトルネックの部分が遠心力方向に傾いてしまうのです。

JLA16.250ロータ
最高回転数:16,000 rpm
最大遠心力:38,420 ×g
容量:6 × 250 mL

そこで、ベックマン・コールターはボトルネックの口径を広げて、さらにキャップの外周部分に突起を付けました。この突起はキャップを締めやすくするためだけではありません。
キャップの外径もボトルの外径と同じにして、ロータの穴(キャビティ)にキャップもフィットするようにするためなのです。
結果は、遠心中にボトルネックが傾くこともなくなりました。
世界最速の高速冷却遠心機用6 × 250 mL容量ロータと遠心ボトルの完成でした。

さらにこのロータは、液体封じ込め環状帯(アニュラスデザイン)を採用しており、遠心ボトルが遠心中に破損した場合でも、ロータ外には液漏れしない構造になっていることも見逃せないポイントです。

また、次回もベックマン・コールターの優れたロータを紹介していきます。
ご期待ください。