Vol.30 サンプル密度とロータの最高回転数について

実験の過程において、新たなプロトコールで遠心分離を行うときには、サンプル密度がどの程度かを意識しておくことは重要なことです。遠心機はその安全性のために、サンプル密度によってはロータの最高回転数に制限が加わります。
密度が規定値よりも大きい時には、ロータはその最高回転数では遠心できないのです。

このような考え方は、超遠心機や高速冷却遠心機用ロータだけの話ではなく、汎用の多本架(低速)遠心機や微量高速遠心機の場合でも同様に必要なのです。 遠心機ロータにおいて、その規定の密度はほとんど遠心機ロータの場合は、1.2 g/mL一部のロータでは、1.7 g/mLになります。

そして、サンプル密度がこの値を超えるときには、次の式によってロータの許容最高回転数を算出します。

サンプル密度に関しては、このような規定があることを日頃から意識していただき、高密度のサンプルのときには上記の計算式をロータマニュアルで確認して、そのサンプル密度に応じた最適な回転数で遠心することによって安全な使用を心がけていただきたいのです。

ご参考までに、ベックマン遠心機ロータにおけるサンプル密度の規定値は次のようになっています。

遠心機 ロータ サンプル密度
フロア型超遠心機(Optimaシリーズ)用 固定角ロータ / スウィングロータ 1.2 g/mL
垂直 / 近垂直ロータ 1.7 g/mL
卓上型超遠心機(Optimaシリーズ)用 MLS-50,MLA-50,MLA-55ロータ 1.2 g/mL
上記以外の卓上型超遠心機ロータ 1.7 g/mL
高速冷却遠心機(Avantiシリーズ)用 全ロータ 1.2 g/mL
卓上型遠心機(Allegraシリーズ)用 全ロータ 1.2 g/mL
微量高速遠心機(Microfugeシリーズ)用 全ロータ 1.2 g/mL
ペレッティングによる分離例
ショ糖密度勾配遠心による分離例