vol.26 密度勾配遠心法(レートゾーナル法と等密度遠心法)
-遠心分離法 その3-

遠心分離法の3回目になります。今回は密度勾配遠心法の紹介です。

粒子の大きさや密度に大きな差がなく分画遠心法では分離ができない場合には、密度勾配遠心法が用いられます。
密度勾配遠心法はレートゾーナル法(Rate Zonal Technique)と等密度遠心法(Isopycnic Technique)に分類されます。
レートゾーナル法に関しては、Vol.22のゾーナルロータの紹介の中でご説明していますが、もう一度ここでさらに詳細にお話しいたします。

主にスウィングロータを使用します。密度勾配溶質の代表例はショ糖です。密度勾配は連続的な勾配の場合と、ステップ毎(例えば5%刻み)の場合とがあります。遠心チューブ中にショ糖などの密度勾配溶液を作成しておき、その上に全体量の数%程度のサンプルを重層して遠心します。遠心後サンプル中の粒子は、その大きさや密度によって分離しバンドを形成します。このいくつかのバンドは、時間の経過とともにチューブの底に向かって沈降していき、最終的にはすべて沈降してしまいます。このような方法は沈降速度法とも呼ばれます。
そしてアプリケーションの例としては細胞小器官の分離などがあります。

  1. 遠心チューブの中にあらかじめショ糖などで、密度勾配を作成しておきます。
  2. 全体の量の数%程度のサンプルをショ糖密度勾配溶液の上に重層します。
  3. 上記②のチューブを遠心することによってサンプル粒子の大きさや
    密度によって分離するバンドを形成します。

等密度遠心法は、主に近垂直あるいは垂直ロータを用いて、代表的な密度勾配溶質は塩化セシウム(CsCl)になります。サンプルと塩化セシウム溶液を予め混和してから遠心すると、遠心チューブの中で自動的に密度勾配が形成され、サンプル中の粒子はその等密度の位置に集まりバンドを形成します。このバンドは時間の経過とともにさらに収束したシャープなバンドになります。このような方法は沈降平衡とも呼ばれます。 そしてアプリケーション例としては、プラスミドDNAの分離などがあります。

  1. 塩化セシウム溶液とサンプル溶液を予め混和しておきます。
  2. この溶液を遠心すると、塩化セシウムの密度勾配が自動的に形成され、
    その等密度の位置に粒子が集まってバンドを形成します。

次回は、誰にでもできる簡単な密度勾配作成のテクニックを紹介したいと思います。
ご期待ください。