Vol.25 分画遠心法 (浮上分画法 floating) について
-遠心分離法 その2-

遠心分離法の2回目の今回は、浮上分画法をご紹介します。

これは、サンプル溶液よりも密度が小さい成分を浮かせて分離する方法です。
代表例として血清からリポタンパクを分離する場合があります。
元々リポタンパクは超遠心機を用いて密度の違いよって分離していたので、成分名はそれを表しています。
善玉コレステロールとも呼ばれるHDLは(High Density Lipoprotein)、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLは(Low Density Lipoprotein)、VLDLは(Very Low Density LipoProtein)ということになります。
この分離は、NaClあるは、NaBrなどの密度調整液を血清に加えて遠心して、その調整液の上層にリポタンパクを浮上させて回収します。

VLDL回収後に下層から一定量を別の遠心チューブに移し、再び別のNaCl比重調整液を加えて混和後に遠心し浮上したLDLを回収します。沈殿からはHDLを回収します。

右のフローチャートは、卓上型超遠心機とTLA-120.2ロータを使用したリポタンパク分離のプロトコールです。
1 mL肉厚PCチューブを使用して、VLDL、LDL、LP(a)、HDL1を順番に、100,000 rpm(435,000 ×g)2.5時間の遠心をして浮上させて、回収しています。(弊社 Application Note DS-693より)

以上のように浮上分画は、文字どおり浮かせて回収するものです。これは、ペレッティング時に沈降しない上清を回収することとは違う遠心分離法であることが判っていただけたでしょうか?
次回は、密度勾配遠心の二つの方法に関してご紹介します。