Vol.23 エルトリエータロータをご存じですか?
-特殊ロータ その3-

これまで、Vol.21では連続遠心ロータ、Vol.22ではゾーナルロータを紹介してきました。
今回は、特殊ロータの3回目としてエルトリエータロータをご紹介します。

1932年ロックフェラー医学研究所のCharles A.Lindberghによって、血球の洗浄法としてエルトリエーション(Elutriation)の原理が発表され、1948年には、ウプサラ大学のP.E.Lindahlによってこの原理が細胞分離に応用されました。
しかしこの方法が研究者に広まるのは、1973年にベックマン社がJE-6エルトリエータロータを発売してからになりました。

この原理による細胞分離には、次のような特長があります。

  • 遠心力のみで細胞を沈降させるのではなく、穏やかな条件で分離するため、生存率の高い細胞集団が得られる。
  • 特別な溶媒は使用しません。細胞培養で使用されるメディウムやバッファーを使用して分離します。
  • 主に細胞サイズに基づいて分離するので、セルサイクルによる分離も可能です。
  • 短時間による一回の操作で106~1010の細胞数を回収できます。
  • 遠心中にチャンバーで分離している様子を、ドアに付いている受光窓から肉眼で観察できます。

エルトリエーションの原理とは次のようなものです。

いかがでしょうか?
古くからある分離法なのですが、現在では取扱が簡単になったこのロータ(JE-5.0)が、今でも盛んに使用されているのです。