vol.9 ベックマンロータ軽量化への歴史 22 kgを8.9 kgに !!

大量培養した細菌、バクテリアを効率的に集菌するためには、高速冷却遠心機用の大容量のロータが必要です。
しかもそのロータは、遠心力などの高い性能および高い安全性をもったロータであることはもちろんですが、人にやさしい操作性を実現するために軽くする必要がありました。
これまでの6本×500mL(JA-10)のロータは、17,700gという高遠心力がありますが、アルミニウムの塊を削り出した構造で重量はサンプル込みで22kgもありました。この重量では誰にでも簡単に扱えるというものではありません。
そこでベックマンは、この課題を乗り越えて開発されたロータJLA-10.500を1994年に発表しました。

固定角ロータ JLA-10.500
最高回転数:10,000 rpm(18,600 ×g)
容量:6本 × 500 mL
重量:8.9 kg(遠心機セット時)

このJLA-10.500は、18,600 ×gという高いロータ性能と強度を保ちながらも、くり抜き構造を採用することによりアルミニウムの使用を最小限に抑えました。さらに脱着可能なカーボンキャニスターと組み合わせることによって、遠心機にセットするときの重量をわずか8.9 kgにすることに成功したのです。この画期的な世界初のJLA-10.500は誰にでも取り扱うことができる軽量の大容量ロータであるだけでなく、クロージャーを締めることによって、サンプルリークを防ぐバイオセーフティ仕様にもなりました。
ちなみにこのロータが発表された時に全世界で使用された宣材写真は、金魚が泳ぐ水の上にJLA-10.500が浮いているというものでした。
さて、本当にこのロータが水に浮くかどうかは内緒の話にしておきましょう。
さらに、1998年には脱着式カーボンキャニスターを採用したJLA-8.1000(6本 × 1 L)とJLA-9.1000(4本 × 1 L)の軽量大容量ロータを発表しまし た。今でもこれらJLAシリーズの3個の軽量大容量ロータは、ベックマンAvantiシリーズ用ロータのベストセラーになっています。

JLA-10.500発売当初の宣材写真

固定角ロータ JLA-8.1000
最高回転数:8,000 rpm(15,970 ×g)
容量:6本 × 1,000 mL
重量:16.8 kg(遠心機セット時)

固定角ロータ JLA-9.1000
最高回転数:9,000 rpm(16,800 ×g)
容量:4本 × 1,000 mL
重量:10.8 kg(遠心機セット時)