vol.7 ミスフックのないスウィングロータ
-トップローディング式ロータ誕生の歴史-

超遠心機のスウィングロータは、たんぱく質、ウィルスの精製や細胞内小器官の分画などによく使用されますが、その形状のために他のロータと比べてかなり慎重な取り扱いが要求されるロータです。特にバケットをロータヘッドに掛ける際のミスが原因で、ロータ事故が起こることあります。そこで、ベックマンはもっと簡単に取り扱えるスウィングロータの開発が必要であると考えました。

1984年の卓上型超遠心機の発売とともに発表したスウィングロータTLS-55 (55,000 rpm、186,0000 ×g、4本 × 2.2 mL)は、ロータヘッドにある穴にバケットを上から通すだけでフック完了のロータでした。バケットのミスフックが起こらない世界初のトップローディングロータ式スウィングロータの誕生です。

さらに、この安全性の高いロータをもっと大容量にするために開発は続けられます。
そして、2002年にスウィングロータSW32Ti(32,06本×38.5mL)とSW32.1Ti(32,000rpm、6本×17mL)を発表しました。これらが、フロア型超遠心機用のトップローディングロータです。

SW32 Ti
32,000 rpm(175,000 ×g)
6本 × 38.5 mL
   
SW32.1 Ti
32,000 rpm(187,000 ×g)
6本 × 17 mL

このSW32 TiとSW32.1 Tiは、さらに次の特徴を合わせもっています。

  • ミスフックがなく、安全で簡単な操作を実現
  • 遠心後バケットのみを先に取り出すことが可能なので再拡散リスクを低減
  • ツイストロック式のバケットキャップは1/4回転するだけでロックされるので、キャップの締め付けが容易で、だれでも一定の力で締めることが可能
  • 従来型のSW 28/SW 28.1と比べて、遠心力が20%アップ
  • SW 32 TiとSW 32.1 Tiのロータヘッドは共通なので、バケットのみの交換で容量の違う2種類のロータとして使用可能