• 粒度分布測定装置

次世代型バイオセンサーの基礎研究において、
サンプルを濃縮せずに粒子径の測定ができたことが大きかった

芝浦工業大学 工学部応用化学科
教授 吉見 靖男 先生

作用機序の解明には、低濃度のサンプルを正確に測定する必要があった

分子認識機能を付与された合成高分子(分子インプリント高分子:MIP)の研究については、昔から世界中で行われていますが、その作用機序が不明確なため、実用化に至っていないという背景があります。私たちは、目的物と相互作用しているMIPのナノ粒子の粒径が変化するという知見を5年前から得ていましたが、得られるMIPの濃度は非常に低く、動的光散乱装置を使っても信頼できる測定結果を得られませんでした。またこのナノ粒子は不安定なコロイド粒子なので、濃縮すると凝集を起こすことが多いため困っていました。

Fig. 1. Principle of molecularly imprinted polymer(MIP).

濃縮せずにサンプルを測定できたのはDelsaMax PROだけ

市場には多くの動的光散乱装置が販売されていて、ほぼすべてを試しましたが、私たちのサンプルを測定できる装置はありませんでした。やはり濃縮させないと駄目なんです。濃縮もいろいろ試しましたが、うまくいかず、これではいくらやっても実験のロスになるなと思いました。電子顕微鏡による測定も行いましたが、乾燥の過程で凝集してしまい、信頼がおけるデータが取れませんでした。私たちのサンプルは、粒径が200 nmから600 nmくらいなので、動的光散乱装置にとって難しいサイズではないと思うのですが、やはり装置の感度が重要であると改めて感じていました。そこで、試しにDelsaMax PROでデモをしていただいたところ、濃縮なしでスパッと測定結果が出てきたので、これは使えるなと思いました。
さらに、粒径が変化していく過程を追跡できたのは、一秒で測定できるDelsaMax PROしかありませんでした。

スパッと簡単に測定ができる

使い方が簡単なので、ゼータ電位も、練習なしで一発で測れました。Excelと連動できることも便利ですね。また、アプリケーションサポートの対応も充実しているので、特に困ることもなく使用しています。

次世代型バイオセンサーによって、薬物の血中濃度モニタリングを簡便に

今後は、センサーの選択性を高める技術の開発が必要であり、その糸口は鋳型の捕獲による粒径の変化だと考えています。なぜ、特異結合によって大きくなったり、小さくなったりするかという分子インプリント高分子のマトリックス構造がはっきりわかれば、様々な応用が可能となります。
この分子インプリント高分子を使って今私達がやりたいのは、様々な薬に対するセンサーの開発です。例えば、患者さん自身が簡単に操作できる血糖値センサーのように一瞬で値が出てくる。抗凝固薬、抗がん剤あるいは抗生物質といった様々な薬は、固有の分子構造を持っていて、この様な薬の血中濃度を測定する装置、試薬を開発するには、長い時間が必要になります。新しい薬もどんどん出てくる状況のなかで、分子インプリント高分子の研究が進めば、簡単に新しい薬物の血中濃度をモニタリングするセンサーチップを開発することが可能になります。この様なセンサーの開発によって、耐性菌の出現を抑えることや、患者さんの代謝速度の違いへの対応が可能になるなど、様々なメリットが得られることを期待しています。

リアルタイム ゼータ電位・ナノ粒子径測定装置
DelsaMax PRO

1秒間隔の測定により、リアルタイムな反応の解析を実現

最速1秒測定に加え、超高感度センサーのアバランシェディテクターやマルチディテクションセンサーなどの最新テクノロジーを搭載し、高精度かつ高再現性データを提供します。

仕 様

測定範囲 0.4 ~ 10 μm(粒子径)、 ~5x107 Da(分子量)
サンプル容量 粒子径測定:45 μL(石英セル)、ゼータ電位測定:65 μL(ディップセル)